東京大学名誉教授・服部正平博士に聞く|腸内細菌と共に進化した「超生命体」と病気・栄養学のパラダイムシフト
インタビュー:東京大学 名誉教授 服部 正平 (工学博士)
人は腸内細菌と共に進化した「超生命体」。腸内細菌をターゲットとすることで、多様な病気の予防・治療を行う研究が進んでいる。
要約:
「ヒト+常在菌=超生命体」という発想
・腸内細菌は腸内不要物の処理にとどまらず、炎症を抑える物質を作り、免疫細胞を整え、ウイルス防御など人に有益な働きをする「もう一つの臓器」として機能している。
・人体は人と常在菌が一体となった「超生命体」であり、微生物と共に進化してきた存在である。
常在菌と病気の関係
・腸内細菌がいなければ免疫系は正常に成立せず、肥満や糖尿病などの代謝疾患、さらには、がんや神経・発達系疾患にも腸内細菌が深く関わっている。
・肥満者の腸内細菌を移植したマウスが肥満になるなど、「腸内細菌が先に変わり、その結果として病気が起こる」という、「腸内細菌の変化で病気になる(腸内細菌が病気の原因)」となる可能性を示唆する研究結果がある。
超生命体が変える医学・栄養学
・病気の治療や予防では、従来のように「患部(病変臓器)だけ」を直接ターゲットにするのではなく、腸内細菌を制御することで全身の病態を改善する戦略が考えられる。
・脳疾患や自閉スペクトラム症のように一見、腸とは離れた病気でも、腸内細菌を標的とする治療が有望視されており、医学・栄養学のパラダイムシフトが起きようとしている。
動画リンク:https://www.youtube.com/watch?v=xxEKHcN4oYU
